長崎の本格焼酎


長崎の焼酎なら壱岐焼酎

九州本土と朝鮮半島の間、玄界灘に浮かぶ壱岐は、東西十五キロ、南北十七キロ、面積約百四十平方メートル。ここは麦焼酎発祥の地である。

比較的平坦な地勢には、長崎県下二番目に広い穀倉地帯がひらけている。春には麦が、秋は稲穂が、なだらかな丘陵地や平野を一面黄金色に染める。

海に目を移せば、白砂青松の砂浜が横たわり、絶景の奇岩がそびえたつ。周辺の海域は玄界灘屈指の漁場でもある。豊かな自然と潮風の中で育った壱岐牛と呼ばれるブランド牛も有名だ。

 島の南東部にある“原の辻遺跡”は弥生時代の大規模な環濠集落跡。ここは、魏志倭人伝に記載されている一支国の王都だったとされる。多くの出土品からもわかるように、この島は大陸と日本を結び、さまざまな人やもの、文化が行き交う重要な拠点でもあった。

 焼酎の原料である穀物に恵まれ、玄武岩層に磨かれた清らかな水が豊かにわき、そして大陸から伝わった蒸留技術が出会って、十六世紀頃に焼酎造りが始まったといわれる。

 壱岐焼酎の特徴は、麦を三分の二、米麹を三分の一の割合で仕込むところにある。

麦の香りと米の甘さが織り成す、ふくよかな味わいは、島で取れた魚介や壱岐牛、地鶏を使った郷土料理の鍋“ひさとおし”など、島の料理との相性もいい。昭和五十年代からは、個性ある味わいに島外の人気も高まり、需要も伸びていった。

 現在、人口約三万人の島には七つの蔵元がある。今も原材料の配合を厳密に守りながらそれぞれの蔵の特徴を生かした焼酎づくりに精を出している。