沖縄の焼酎の泡盛は島酒とも言われている
沖縄県内にある泡盛の酒造所は四十八ヵ所。そこで作られている銘柄は実に六百を超え、本島はもちろん、県内の島々で造られる。“島酒”とも呼ばれ、沖縄になくてはならない酒なのである。
1999年“泡盛の女王”に選ばれたのを機に、全酒造所を取材したという泡盛ルポライター・富永麻子さん。泡盛の魅力を知るべく沖縄に富永さんを訪ねた。
飲むと造り手の顔を思い出し、おいしさと一緒に懐かしさも感じてしまいます。小さな蔵も大きな蔵も一生懸命造っているのです。基本は地元に住む人たちのために。泡盛は沖縄の宝物ですと。
その“宝”が造られ始めたのは今から五百年以上前。明治時代になるまで泡盛は、琉球王朝の厳しい監視下のもと、首里でしか造ることを許されていなかった。
首里城近く、かつて泡盛の酒造所があった場所に立つ飲食店石畳瑞盛館には、当時をしのばせる施設や道具も展示されている。店主・山城瑞成さんが泡盛の話を聞かせてくれる。
古地図を見ると首里だけで四十以上の酒造所があったようです。 泡盛によく合う琉球料理をいただきながら、当時の技が今にもつ続いていることを知った。
さて、泡盛には今年の新酒の出来はという表現はないらしい。タイ米と黒麹を使って造る泡盛は、極端に言えば毎日でも造れる酒ですから。ですが、今年味が良くなった古酒はこれだということはありますねと富永さん。
そう、泡盛といえば古酒(クース)。
製造されてから3年未満のものを“一般酒”、3年以上ねかせたものを“古酒”と呼ぶ。ねかせる時間が長いほど、熟成して独特の香りを持ち、価値があがっていく。泡盛は水割りで飲むことが多いのですが、古酒はストレートでチビチビと。大きなお祝い事の時には、よりねかせた時間の長い古酒を飲みます。
やはり首里にある泡盛館では、購入も可能な全酒造所の泡盛がずらりと並んでいる。
来年から、やっと三十年古酒を売ることが出来ます。器、音楽など泡盛を通して沖縄の文化を伝えていければと思います。と館長の宮城昭義さん。三十年前からコツコツと準備してきたたまもの、その味わいは、滋味豊かにしてまろやかだった。那覇酒類販売の根路銘修さんは、インターネットでの販売も始め、全国からの注目も感じているという。
泡盛には、古酒があるから、どんなことがあってもその未来は大丈夫だと思うのです。沖縄の文化と歴史が詰まってますから。
古酒の魅力を放してくれたお二人。だが、富永さんは一般酒の魅力もこう語る。
新しい泡盛も力強くて好きなんです。それに、それを飲んでおけば、古酒になったときの味の変化もわかりますからね。今の味を楽しみつつ、未来の味を思う喜び。それも泡盛の持つ不思議な力なのである。