福岡の焼酎

広大な平野を有する福岡・佐賀の両県。古くから稲作が盛んな地域であり、九州のなかでも古くから清酒県として栄えてきた。焼酎は主に清酒の酒かすを蒸留する酒かす焼酎を造っていたが、長年培われた技術を生かし、近年では、多様な本格焼酎が造られている。

 福岡県は現在三十七の蔵が、麦、米、ゴマ、人参、芋などを原料に本格焼酎を造っている。福岡県酒造組合では、古代からアジアと日本を結ぶ要衝であり、全国屈指の食の街・博多にちなみ、県産本格焼酎の総称として“博多焼酎”の名で消費者にアピールしている。

 佐賀県は、麦焼酎の原料となる二条大麦の一大産地。平成十七年より佐賀県原産地呼称管理制度を設け、県産原料を100%使用し、県内で製造され、品質面で優れた本格焼酎を委員会が厳しく審査、認定している。現在、十一の蔵が本格焼酎を造る中、平成十八年九月には十銘柄が原産地呼称の認定を受けている。

 福岡市と北九州を擁する北部九州はまた、酒類の一大消費地でもある。かつては清酒の消費が多かったが、今や本格焼酎はゆるぎない地位を確立している。そうした状況を独自のネットワークを持つ福岡の酒販売店と飲食店。

 十年前は、産地で飲まれている焼酎を仕入れようにも苦労しました。少しずつ地元酒の情報や商品が一般に流通するようになり選択肢が増えた結果、焼酎を選ぶお客さんも増えてきましたとはなすのは、福岡市郊外に店を構えて四十三年“酒庫なりよし”の成吉さん。

家庭用には、最近は、お湯割りのいも焼酎が支持されているという。

 晩酌用に長く飲んでもらうためには、多様化と質と価格のバランスは必要不可欠。

注目株は、長期熟成された米焼酎だそうだ。
 一方、毎夜、学生や社会人でにぎわう“万太”は、鹿児島黒豚と焼酎を楽しむ店。

最近は、女性も焼酎の領域に足を踏み入れたと感じます。会社では営業職の女性も増え、
付き合い酒が増えているからだろうと分析。お湯割り、水割りと酒量を紺コントロールしやすく、食中酒として万能な焼酎は、働く女性の心強い味方というわけだ。食の安全性が追求されるようになり、豚肉同様、焼酎の世界でも原産地呼称の銘柄が増えています。

それは、オリジナリティーある焼酎づくりにつながり、自分の焼酎探しをしている人たちに響く味だとおもいますよ。飲みやすいだけでは売れない。飲み手を選ぶくらいの焼酎があってもいいんじゃないですか。
 一歩進んだ福岡の消費者は、いい意味でクセのある個性派焼酎の出番を待っている。